別の記事で、「そもそもフレキとは?」についてフレキ・伸縮継手の使用目的とその役割について記載しました。

今回は、さらにフレキの性能と役割について、なぜそのような製品が生まれたのか?「歴史とその種類」についてご説明させていただきます。
フレキ伸縮継手には、フレキシブルホース、エキスパンションジョイント、伸縮継手、伸縮管、可とう管など様々な呼び方があることは説明しましたが、その呼び方は性能と役割を要約したものであり、その役割で最も大切な部分は、変位方向・変位量 =「伸縮」「偏心」を吸収することです。
そこで、まずは「伸縮」と「偏心」とは?ということを説明させていただきます。

【伸縮とは?】

伸縮継手が「同軸方向」にアコーディオンの様に動く変位を指します。

【偏心とは?】

フレキが「軸直角方向」に天地左右に動く変位を指します。

これらの動きが複合して起こることを「複合変位」といい、地震などによる激しい3軸方向へ動きもありますし、中でも細かく小さく速い動きは「振動」と表現したりします。激しい動きを伴わない変位としては地盤沈下などを代表とする「不等沈下」なども複合変位の一部です。

【フレキ・伸縮継手の歴史】

フレキとして最も長い歴史を持つのは、SUS(ステンレススチール)を使ったものです。SUSフレキ、SUS伸縮継手、SUSベローズなどと称され金属フレキなどと言われますが、SUS伸縮継手は文字通り「伸縮」を吸収するものであり、SUSフレキはフレキシブルに「偏心」を吸収するものとして開発されました。
これら両方ともに共通することは、金属の板を波板の形状に凹凸を形成し、機械的に曲げ伸ばしができるようにしてあることです。

【伸縮継手の例】

【偏心フレキの例】

SUS伸縮継手・SUSフレキの最も重要な点は、金属板の加工品であり素材自体がほぼ伸び縮みしないので、強度計算や伸縮量・偏心量の計算ができるといった点です。これは建設業界やプラントエンジニアリングで非常に重要な要素であり、SUSフレキ・伸縮継手が誕生した際には、配管設計にとって革命的な要素であったに違いありません。

ただ、SUSフレキにも弱点があります。
まず原則として「伸縮」か「偏心」か、どちらか一方の変位を吸収することしかできません。それは金属を曲げ板形状にすることで変位を吸収するという物理的な構造に由来します。当然ですが、曲げ板形状を強制的に作らないかぎり変位しないのは、金属自体(素材自体)が伸び縮みしないためです。ユニバーサルやダブルベローズ構造という「複合変位」を吸収するSUSフレキも存在しますが、大型でコストも高く、重量もあるため汎用的とは言えません。

【参考】ダブルベローズタイプ・ユニバーサルタイプ

また金属製のため、特定の流体に対し腐食や穴あきのリスク、また金属疲労による穴あき・漏洩などのリスクを排除しきれません。つまりSUSフレキだけでは様々なプラントの送液を守ることができません。そこで、それらの弱点を克服するために開発されたのが、以下の製品です。

【Rシリーズ=フッ素樹脂製フレキ・伸縮継手】

【Tシリーズ=ゴムフレキ・可とう管】

これらのフレキはSUSフレキの弱点を補うことができることから、市場も大きく拡大してきています。そして、それら全てのフレキを適材適所に選定やアドバイス・ご提案できるのが弊社の強みでもあります。
さまざまな用途、設置環境、使用条件などでお困りのことがありましたら遠慮なくお問い合わせください。専門の技術営業スタッフが皆様の課題に寄り添い、最適なご提案が可能です。

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